なんかかけない(;´ω`)ー3
他の方がオンリーで気合いを入れた本を出してくるだろうに申し訳ないな。
下の続き↓ これまともな小説にならないな;;;ブツブツでつながらない。
月読高校。文化祭。
2-3出し物『白雪姫っぽい話』
確かに白雪姫っぽい話とはチャラスケも言っていたけど……。これは確かにチャラスケじゃないとできないような話だなとサスケは思った。
てっきり女装してもそれなりに美形なチャラスケを活かしたものかと思ったが、劇はコメディ仕立てだった。
チャラスケは白雪姫風の例のドレスに、それっぽい髪型……まではいいのだが、バチバチのつけまつげにやりすぎというぐらいの濃いめのメイク、ほっぺはバカ●ンのごとく丸く赤くぬられていた。
もう見るからにバカっぽい出でたちで行動も頭が足りないというか不思議系を演じていて、一々おかしいのだが、美少女という設定。
ナレーション『白雪姫の美しさに嫉妬した女王様は、従者に彼女の殺害を命じ、証拠に心臓を持ってくるように言い付けました。ところが森に白雪姫を連れ出した従者は彼女のあまりの可憐さに躊躇します』
「ダメだ!こんな可愛い姫の命を奪うことなんてオレにはできない!」
従者役が四つん這いで失望する姿に会場がドッとわいた。
チャラスケ扮する白雪姫は、従者の異変にも気づかずぬいぐるみのウサギを愛しそうに撫でている。
「姫様!かくかくじかじかでこうなんです!どうかお逃げください」
「まぁ~そうなの?でもそのままじゃあなたがお母様に叱られてしまいますわ。そうだ!」
ナレーション『白雪姫は従者の持っていた弓をそっと借りると、辺りを見渡し、弓を構えると矢と放ちました』
一度舞台袖に隠れ、袖からチャラスケは矢が刺さった鹿の着ぐるみを着た男と共に戻ってきた。
「これをかっさばいて心臓をお母様の前に差し出せば問題ないわ」
「さすが姫様!」
また会場が沸いた。
「私は城での暮らしに飽き飽きしていた所なの。しばらく隣の町にでも身を隠すわ。じゃあね」
「あぁ…………姫様。そんな世間知らずの貴方が隣町だって無事辿りつけるか…………ってもういない!」
ナレーション『長年箱入り娘扱いにうんざりしていた白雪姫は、あてもないのに森の奥へと飛び出していきました』
アイツ、熱あるのによく動いてるな……。
バカっぽくフワフワ歩いたりまわったりしたかと思うと、手ぶりは大きくバタバタドタドタ走る。
本当に好きなんだろうな。こういう風に目立つのも、演技も、周りの調和を大事にするのも。
顔が似てるからって安易に代役を申し出たオレが恥ずかしい。
絶対代役なんてできるわけがない。
頼まれたあのシーンだけがかろうじてだな。
頼まれたシーンは最後、白雪姫が仮死状態になり、生き返るまでのラストシーンだ。
この劇のシナリオだと、ドール愛好者の王子が小人から白雪姫を引き取り運ぶ途中に一本背負いして落としてしまい、その衝撃でリンゴを吐き出した白雪姫が生き返ってハッピーエンド展開らしい。
チャラスケは「大変なシーン代役して貰って悪いけど、今のオレ受け身とれないで気絶しそうだし」とサスケに申し訳なく思っていたが、サスケはそのくらいなんでもなかった。
この後チャラスケこと白雪姫は、小人たちと楽しい日々を暮らし、その様子を女王が魔法の鏡で様子を知り、老婆に扮した女王が差し出した毒りんごを喉に詰まらし、仮死に。
白雪姫は一度舞台袖に隠れ、どうにか白雪姫を生き返らせたいと小人たちが相談し、白雪姫との ろくでもない思い出を語るというシーンになる。
その際にサスケとチャラスケは舞台袖で入れ替わることになった。
「ごめん、すっげー汗臭い衣装だわ」
びっしょり濡れたドレスをチャラスケは申し訳なさそうに差しだし、サスケはそれをさっととってすぐに着た。
「構わん。どっかで休んどけよ」
「うん………お前の白雪姫も生でじっくり見たかったんだけど諦める。汗でメイク落ちちゃってるからほっぺだけ塗っておくな」
「…………お前がやりたかった分、目一杯演技してやるよ。すげーうめき声上げればいいのか?」
「普通でいいって。目が覚めてぼんやりしてる白雪姫で。あとはナレーションが勝手にやってくれるだろ。投げる王子も柔道部だから上手いだろうし」
白雪姫に扮したサスケは、舞台袖から薄暗い照明の中そろそろと舞台上にある棺桶へと寝るように案内され、そこに横たわった。
あとは自然に任せるだけ。ただ寝てればいいだけだ。
そう思っていたのだが…………誤算があった。
チャラスケとサスケが最後入れ替わることは、舞台の上手側の人間しか知られておらず、ナレーション側には「体調が悪いのをおしてチャラスケが最後まで演じている」とだけ伝わっていた。
その為、シナリオが急きょ変更になっていた。
ナレーション「女王の毒りんごで死んでしまった白雪姫。目覚めさせるには愛情を伴ったキスが必要です」
はっ!!??投げ飛ばされるんじゃねーのかよ!?
サスケは目を閉じたまま汗がドッと出た。
待てオイ。 この劇って確か劇といえチャラスケと絡む女子がいると女が揉めるってことで演者は男だけだったよな!?
当然王子も男だよな!?冗談じゃねぇぞ!
ナレーション「王子の愛情を伴ったキスが必要なのです。王子!」
なかなか王子が近寄って来ない気配から、これは王子役も予想外の事態なんだろうな。
相手とアイコンタクトできるか……?
サスケが薄目を開けると、王子はサスケのよく知る人物…………メンマだった。
>>続く
[4回]
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