下のカカイル+サスナルの、サスナル主です。
こちらもオチがないです(汗)
対照的にしたかったんですが、そうでもなかった。
初めての本気の恋にどうしていいかわからなく、行き当たりばったりなカカシに対して、
動揺しつつも、計画立ててるサスケ。
でも進展度はどちらも3歩進んで2歩下がる状態だったり(笑)
何も考えずに書くとこうなるんですね。
【こどもとおとなのボーダーライン~サスケ編】
このごろの俺はいい感じの位置にいると思う。
前ほどナルトと深刻なケンカをしなくなった。
いや別に前だって内容的には深刻というよりむしろくだらないことがきっかけのケンカが多く、やたら傷つけてばかりだったけど今は違う。
波の国での修行では、肩を貸し合うぐらい触れ合う機会が増え、里に帰ってからも人前では変わらない関係に見せて、二人きりでは結構仲良くしている。
波の国ではともかく、それ以後は俺の努力の賜物だ。
ナルトといるといつも緊張して、余計なことを言ってしまうのをなんとかこらえて、少しずつ少しずつナルトを引き寄せた。
印の組み方とか術の基礎知識とか、アカデミーで既にやったこともナルトはあまり頭に入っていないようで、それを「同じ班だから足を引っ張られては困る」と言い張って
教えてやって、任務以外でも会う機会を増やして、なるべく優しくしてやった。
その結果人前では意地を張るけど、二人きりだと割と素直になって、笑顔も向けるようになった。
手もつないだし(買い物途中ではぐれそうだったからだけど、嫌がりはしなかった)、ご飯も一緒に食べる機会が増え、家にも泊まりにくるようになった。
あともう一歩だな。そろそろ好きって言いだすだろう。
元々イルカやカカシやサクラに好き好き言ってんだ。これだけ尽くしてやってんだ。俺にも言うだろ。
はずみでも何でもいいから早く言え。
それがどんな意味でも俺は見逃さねえぜ。早く落ちろよウスラトンカチ。
「サスケーサスケー!」
ガサガサと草をかき分けで、慌てたように近づいてくる。
今日の任務は落し物探しで、例の如く競争だとナルトが持ちかけてきたが、その表情からして物が見つかったようには見えない。
「なんだ、死体でも見つかったのか?」
「怖いこと言うなよ!そうじゃなくて、えっとサスケお前病気じゃないよな?」
「はあ?」
「カカシ先生がサスケも、えーとえーと、特定の人を見たらハァハァが続いて、体の一部が熱もって頭が変になる病気だって」
「っ!!ん、んなわけねえだろこんっのドベェ!!」
あの変態上忍!!ナルトに何言ってんだよ!!
「な、なんだよ……俺心配してやったのに!あっそー病気じゃないならいいってばよ!よかったね!」
フンと鼻を鳴らしてナルトは背を向けて走って行ってしまった。
「…………」
だって何言ったらいいんだよ。カカシの奴余計なこと言いやがって、ナルトが警戒したらどうすんだ。
…………ナルト、またカカシの所行ってたりして。
そんでアイツのことだから更に面白おかしく嘘八百並べるに違いない。
そしてナルトはまだ馬鹿正直に受け取ってしまう。アイツは大人の言うことは全部信じるからな。
「クソッ!」
立ち上がって、すぐにナルトを追いかけることにした。
気配を断って、奴らがいる木の上にそっと昇って見下ろす。
ナルトの声は聞こえるが、カカシはボソボソしゃべるので上手く聞き取れない。
「そんなのしたら絶交されるってばよ」「そんなんヤダってばよー!」
というナルトの声。絶対カカシは余計なこと言ってるな。ナルトも信じるなよ。
しかし何のことだろう?
「そりゃ…嫌いだったら、一緒にいないってばよ。口も利かねえし、触れたりもしねえ、心配もしないもん」
「!!」
俺のことか。それを俺に言え!もっとストレートに!
カカシなんかに言ってんじゃねえよ!クソ……ッ!
赤くなりそうな顔をブンブンと振っていると、何故か急にカカシがナルトを胸に抱いて頬ずりしはじめた。
「や、やだぁ~っ!オレってば赤ちゃんじゃねー!!」
カッとなって、考えるより先に体が動きクナイを投げてしまった。
チリッとわずかに米神を掠めただけだったが。
「離れろ変態」
スタッと前に降りたって、睨みつけるが奴はまだナルトを離そうとしない。
「ほら、攻撃的になる初期症状だ。ナルト、早くキスしてやらないとサスケ倒れちゃうぞ」
「えええ~~っ!!」
「ばっ!何言ってんだ!!」
そんなこと話してたのかよ!ナルトの顔がかあーっと赤く染まっていく。
困ってんじゃねえかよ!
「ほらほら行ってこい」
「えー」
「カカシテメェ!!」
串刺しにしてやろうかと、さらに忍具に手をかけようとした時、パチっと目が合ってしまい、思わず後ずさりしてしまった。
マジですんのかよコイツ!
そりゃ事故で1回はしたけど、また人前でなんて冗談じゃねえよ!
一瞬が長く感じたが、ナルトはパッと顔を隠すようにカカシの胸に顔をうずめやがった。
「む、無理ぃ~!サスケとチューなんて絶対無理だってばよ!!」
「なっ!こ、こっちこそお断りだウスラトンカチ!!てかいつまでもベタベタひっついてんじゃねーよ!!」
さっとクナイを指にはさんで一斉に投げつけだが、奴はスッとナルトを抱えて姿を消した。
何処だと思った週間、ドスっと背中に重みを感じて、そのまま地面に突っ伏してしまった。
「俺はサクラの様子見てくるから、二人でイチャついてなさい」
「テメェ~覚えてろよ!!くっ、この、さっさと退けドベ!」
ナルトは慌てて退いたが、カカシはくるりと背を向けてスタスタと行ってしまった。
「クソ……お前な、なんでもかんでもカカシの言うこと信じるなよ!任務のこと以外は9割が嘘だぞ!」
「9割は多いと思うってばよ。5割ぐらいじゃね?」
お前も疑ってんじゃねーか!もっと疑え!
「…………」
イライラと足を鳴らしていると、じっとナルトは俺の顔を見つめてきた。
「なんだよ?」
「ホントにサスケ平気?ちゅ、ちゅーとかしなくて………」
「まだんなこと言ってんのか!どうせできねえくせにバカなこと言ってんじゃねーよ!」
「で、できないなんて言ってないってば!」
「絶対無理って言ってただろうが!」
「言ったけど……」
いっそ俺からしてやろうか、そしたらまたカカシに泣きつくんだろうな。クソッ!
「さっさと任務に戻れドベ」
フンと顔を背けたら、胸倉をガッと掴まれ、ガチンとした音と共に口に痛みが走った。
「うっ!」
目に映ったのは真っ赤な顔でぎゅっと眉を寄せたナルトのドアップだった。
それと共にぬるっとしたものが唇の内側を撫でた。
こ、これは…………!
ぷはっと息を吐くとともに、その感触が離れていった。
「ド…………べ…」
お前なんてこと!口元を押さえてがくりと力が抜けてその場にうずくまってしまった。
「へ、へへーん!どうだ!俺はなんだってできるんだってばよ!ビビりじゃねえ!ってサスケェー!!なんでー!?」
信じられねえ……こいつバカか!?いやバカだ!知ってたけど!!
「え?やっぱサスケ死ぬの?」
「死ぬか!!もうお前寄るな!!」
「酷っ!もうサスケなんて知らねえー!」
そう言って赤い顔のままナルトは離れていった。
くっそーまたケンカしちまった。カカシめ、覚えてろよ。
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