ひっぱるつもりないのに、ひっぱってるよ・・・・
ふおおお・・・当初はこの話でくっつく予定が「いやぬるいな」と思って変えた。
ら、そうなった・・・・・・ナルトの思考回路はさっすんには謎かもしれないけど、ちゃんと深い理由があるんだよーナルトがそれをさっすんに話してないだけでー
2010.1.20 ⑦を書くにあたって修正。
いきあたりばっかりで描いてたのでもう諦めて訂正。
深い理由なんて、ない!
まっだまだ続くー
「…………なんで?」
数秒間固まって、やっとひねり出せた言葉は間抜けにもただのオウム返しで、ナルトは顔を背けたままだ。
「なんでだ」
さらに問い詰めると、ぐっとナルトの顔の真ん中に眉や唇やらが寄った。
「…………恋人は飽きたら捨てられるじゃんか」
「は………?」
「サスケ、女の子と続いたことないじゃん」
「…………あ、あれは捨てたんじゃなくて」
最初からナルト一筋だった俺は、当然他の奴なんかに全く興味はなかった。
それなのにナルトは「勿体ないってばよ。サスケひょっとしてホモ?」とか疑うから、あんまり迫ってこなさそうな女の告白だけ受けて、嫌々付き合っては最終的にフラれるということを繰り返していたにすぎない。俺は潔癖だ!
大体女との約束があっても必ずお前を優先にしてただろうが!
「うっせー!俺とお前はえっちしたからって変わらねえからな!そんな簡単な付き合いじゃねえもん!」
聞きたくないと両耳を塞いで首を振るナルト。
なんだこれ。お前の思考回路は以前から謎だったが、どうしてそうなるのか改めてわからん。
だって好きだと言ったんだぞ?ちゃんと告白したよな俺?
…………。
……………………。
………………………………あっ。
先日の出来事を最初からよく思い出し、かつナルトの鈍い頭を視野に入れて考えてみたら、とんでもないことに気がついた。
『フラれたってばよー!ううう…………サクラちゃん、なんであんなKY野郎を……母性本能なら俺の方がくすぐるってばよ』
今日と同じようにナルトはたくさん酒缶を空け、一度は盛大に泣いては飲み、泣いては飲みして意味不明な日本語を口走っていたが、ようやく泣きやんで落ち着いた所だった。
『お前は単にズボラすぎるだけだろうが、大体幼馴染ってのは距離が近すぎるとそういう関係にはならねえんだよドベ』
その時の俺はホッとしていた。サクラは頭がいいしそれなりに顔もいいのに、理想が高いのかずっと恋人はできなくて、このままなんか間違ってコイツとくっついたらどうしようと思っていたからだ。悲しむナルトには少し胸が痛んだが、長年抱えていた不安がようやく解消され俺はいい気分だった。
ナルトから聞いた時は思わず即サクラに祝いのメールを送って「サスケ君変よ」とサクラに不審に思われたぐらいだ。
『サクラちゃん……俺ってば小さい頃からサクラちゃんと結婚するのが夢だったのに』
『男らしく諦めろ』
『諦めてるってばよ。サクラちゃんが幸せならいいってばよ。たださーサクラちゃんちって温かくて、俺サクラちゃんのお父さんもお母さんも大好きだから婿問題とかならないと思うし、春野ナルトになる気満々だったのに』
諦めてねえじゃねえか!お前どうしてそんなにサクラが好きなんだよ!
サクラの相手の男がどういう奴か知らんが、あのサクラが交際を許可するぐらいだから似合いの2人に違いない。いやそうでなくても別れそうになったらいくらでも相談にのってやって結婚まで協力してやると思った。サクラが結婚するまで油断できねえ!!
『サクラちゃんの頭脳と俺の運動神経もった女の子、いや男でもいいんだけど、できたらすっげー子供できるってばよ』
「お前に似たらバカで苦労するな」
『女子だったらサクラちゃん同様花の名前つけてー、男だったら何がいいかなーとか』
「…………」
聞いちゃいねえ。
『ナルト関連じゃ思いつかねえなー。あ、サスケみたいな古風な名前とかいいかも』
その一言にブチっと切れた。
『お前はほんっと!どうしようもねえバカだな!そんな下らねえことばっか考えてるから振り向かせられねえんだよ!』
『ちゃ、ちゃんと努力したってばよ!』
突然声を荒げた俺に、ナルトは少し驚きながらもムッとして言い返してきた。
『ハッ、笑わせんなよ。一途に思ってりゃ伝わるのか?ぶつけるのが怖かったんじゃねえの?それともそんなに好きじゃなかったんじゃねえのか?』
『大好きだってばよ!俺サクラちゃんの為ならなんでもできるってばよ!』
『それがサクラが望んだか?お前を必要としたか?必要なのはお前の方だけだったんじゃねえか!』
『っ……………!』
ナルトを傷つける言葉を吐くたび、自分の胸は奴の倍をえぐられる。
俺だってお前が望むなら、望んでくれるならなんだってできる!してやる!でも望んでくれなければなにもできねえ。
何もお前の中に残せない!必要としているのは俺の方だけ!
『何がフラれただ!最初から望みねえの追いかけてバカじゃねえか!10年以上も脇を見ようとしなかった報いだぜ!』
俺がどれだけお前を見てきたと思ってんだよ。
『サスケェ!!!』
ギロリと睨みつけながら、ナルトが飛びかかってきた。
酔っているくせに、いや酔っているからこそ加減をせずすごい力で床に押し倒された。振りあげられた手は当たる前にバシッと掴んで制したが。
『う~~~~っ』
『俺を殴っても変わらねえぜ。今日は殴られてやらないし、俺だって殴らない』
『なんでだってばよ!今日のサスケは変だってばよ!俺が傷ついてるのに妙に機嫌良かったし、かと思えば今意地悪だし!』
『お前が、無神経すぎるんだ……っ!』
サクラと結婚して子が出来たら俺にちなんだ名をつけるだと?そんなことされたら一生俺はお前から離れられないじゃないか。
お前にとってはずっと俺は親友のままで、サクラ以外の女をいずれ好きになることもあるだろう。
ずっとずっとそれを俺は見ていなきゃいけないのか?なんでお前は俺に気がつかないんだよ!
誰より近くにいたはずだろ?こんなに好きなのに同性だからってだけで全部諦めなきゃいけないのか!?
『俺だって………俺だって……お前をずっと思っ…………』
目の前のナルトが突然すりガラスを挟んだかのように歪んだ。
パチリと瞬きをすればそれは取り払われて、代わりに顔が濡れたような感覚がした。
違う。これ涙だ。でも目の前のナルトは目を見開いているが泣いてない。てことは俺か!
続く(汗)
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